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2015-07-10 (Fri)  23:22

16周年企画(の代わりとして・笑) 「永久の友へ」プロット公開


 そういや今年は周年企画をやってないなと思い出したので(16周年でした!)、企画代わりにこんなものを。

 昨日アップした「永久の友へ」のプロットが出てきたので、上げてみますね。




 「夢の続き」から十数年後?

 クローネの町を再び訪れているオリバー(三十代後半)。すでに「放浪の時計職人」として名が知られるようになっており、彼の作った時計はあちこちで評判となっている。(彼の作った時計には必ず「オリバー」の刻銘がある)

 今回クローネを訪れたのは、例の時計台の定期補修を行っている。

 定期補修を明日に控え、宿屋の食堂兼酒場で夕飯をとっているところに、やってくる旅人。

「失礼、時計職人のオリバーさんとお見受けしますが……」
 顔を上げると、フードを被った旅人が席の横に立っている。顔は見えないが、フードから零れる金の髪に、ふと昔を思い出すオリバー。

 時の狂った町を救った金髪の魔術士。しかし彼女はこんなに穏やかな喋り方はしない。
「あなたは……?」
 問いかけには答えず、懐から何かを取り出して机に置く旅人。それは相当な年代物の懐中時計だった。かなり大きく、現代のものとは大分形が違う。装飾も何もない簡素なもの。
「大事な友人から頂いた時計なのですが、針が進まなくなってしまいまして。あなたなら直せるのではないかと思ったのです。彼の時計を直して下さったあなたなら」
 はっと目の前の人物を見るオリバー。ばさりとフードを取った旅人は、かの女魔術士によく似ていたが、明らかに別人だった。
 流れる金の髪、海のように深い青い瞳。杖を携えたその姿は、噂に聞いた『金の魔術士』そのもの。
 小さく息を吐いて、どうぞと目の前の席を促す。促されるまま席に着いたリファは、静かな笑みをたたえている。
「あんたが――アイオンの……?」
「ええ」
 そしてアイオンとの日々を語るリファ。その瞳は楽しそうだったが、どこか悲しそうにも見える。
 旅の途中で二人は出会った。アイオンは「永久に動く時計」を作るため、修行の旅の途中で、リファは放浪の旅を続けていた。
 意気投合し、しばらく共に旅をした。
 一通り話を終えて、それでと机の上の時計に目を戻す。
「これは彼が作った懐中時計です。今のものと比べたら随分と大きくて稚拙なものと思えるでしょうが……」
「いいや、百五十年以上前にこれほどのものを作り出していたなんて……。本当にアイオンはすごい職人だったんだな」
 感嘆の息を漏らすオリバーに、少しだけ誇らしげな顔をするリファ。
「彼はいつでも、時代の先を見据えていました。生まれる時代が早すぎたのかもしれませんね」
「天才っていうのはそういうものだ。もっとも、その才能を生かす方向性を間違えた気はするけどね」
 顔を曇らせるリファ。
「後悔しているんですよ。私と出会わなければ、あんなに「永遠」に固執することなどなかったのかもしれない、と」
その渦中、旅の理由を問われて、ついこう言ってしまった。
「この世界をどこまでも見つめ続けること。それが私の宿命であり、償いなのです」
「そう、なのか……」
 アイオンはただ、そう答えた。それ以上詳しいことを聞こうとはしてこなかった。
 それでもアイオンもまた、魔術士。伝承の不老不死人のことは知っている。
 やがて、アイオンが腕のいい職人に弟子入りすることが出来、二人の道はそこで分かれた。
 別れ際に、アイオンは懐中時計を渡して、こう言った。
「私の夢が実現したら、きっと君の旅の供に加えてくれ。それまではこれを」

 そうして手渡された懐中時計は、百年も前に動きを止めた。
 彼に直してもらおうと彼を探したが、その頃には彼はもう行方知れずになっていた。(実はクローネの町を作り上げた直後に時計台の隠し部屋で亡くなっていたが、誰もその事実を知らなかったため、町を作り上げた後、人知れず町を離れて消息不明ということになっていた)
 クローネの町の噂は聞いていたが、そこを離れたと聞いていたために向かわなかった。(故にリファはこの町の仕掛けについては知らなかった)
 放浪の旅の途中、ずっと彼の行方を知るものを探していたが、ついぞ見つけることは出来なかった。
 ところが、十数年前にクローネの町で異変が起こり、それを旅の魔術士と一人の時計職人が解決したと言う噂を聞きつけた。
 慌ててやってきた(それでも異変から数ヶ月は経過していた)町で、すっかり修復された時計台の中に資料として残されていた「アイオンの手記」を読んだリファ。彼の残した思いに涙しながら、修復されて今も動きつつける時計を見て、思ったという。
「あなたは、彼の残した時計を見事に直して下さった。それなら、この時計もあなたに、と」
 それから、オリバーを探していたリファ。とはいえ、リファもオリバーも共に気ままな放浪を続けているのでなかなか巡り会わず、今回はたまたま数ヶ月前にクローネに立ち寄ったところ、塔の時計を定期補修していると言う話を聞きつけて、時期をあわせてやってきたのだという。
「分かりました。やってみましょう」
 慎重に懐中時計を手に取るオリバー。ほっとした表情のリファ。
「ありがとうございます。お礼といってはなんですが、塔の補修でお手伝いできることがあったら教えてください。これでも腕の良い魔術士ですから」
 その言葉に、リダを思い出すオリバー。
「同じ台詞を聞いたことがあります。彼女達は、お元気ですか?」
「ええ。きっと」
 笑いあう二人。夜が更けていく。




 台詞回しはほとんどそのままですね。この話は大分、頭の中でしっかり骨子が組み上がっていたものだったので、プロットに情景描写を肉付けした感じです。

 完成したお話のプロットはすぐに消してしまうことが多いんですが、このプロットは珍しく、きちんと取ってあったので、記念として。

最終更新日 : 2015-09-14

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