MEMO
日常の呟きから小説裏話まで
Twitter300字ss・「かさ」 
2017/06/03 Sat. 21:00 [edit]
300字という字数内で一週間掛けて完結した小説を書き、それを公開して交流や宣伝に役立てようという「Twitter300字ss」。第三十三回目のお題は「かさ」です!
傘・笠・暈……と色々悩んだ末にこうなりました。
『キノコの森の音楽会』
「今夜、『月光キノコの森』で音楽会があるんだ」
そんな話が出たのは、雨に降り込められた午後。
「なんだそりゃ?」
情報通の配達人が首を傾げるくらいだから、新入りの看板娘が知る由もない。
「まあまあ、騙されたと思ってついて来て」
揃いの雨具に身を包み、向かったのは世界樹の根元。
うねる根っこの隙間を通り抜け、辿り着いたのは――巨大キノコが生い茂る森。
「なんだこりゃ!」
「とても幻想的です!」
ぼんやりと光るキノコの下、奏でられる楽の音はしっとりと柔らかく。
巨大なかさが弾く雨粒は、小気味のいいリズムを刻む。
キノコの光が薄れ出したら、終幕の合図。
「長雨の夜に、またお会いいたしましょう!」
挨拶と共に、闇の帳が降りた。
拙作『垂れ耳エルフと世界樹の街』シリーズ(と言っていいのだろうか)より、骨董店のぐうたら店主ユージーン、世話焼きな配達人のオルト、いつの間にかちゃっかり骨董店の看板娘に収まった自称『魔導人形』ちゃんのトリオにご登場願いました。
企画説明文に「キノコのかさ」等って書いてあったのを見た瞬間に、こういうネタが思いついてしまい(^^ゞ
ちなみに、この 『世界樹の街』は街区ごとに色々な世界が繋ぎ合わさって出来ているのですが、肝心要の『世界樹』も、色々と謎が多いようです。
category: Short Stories
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