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Twitter300字ss・「酒」


 300字という字数内で一週間掛けて完結した小説を書き、それを公開して交流や宣伝に役立てようという「Twitter300字ss」。
 第三十七回目のお題は「酒」です!


『大人の味』

『面白いから食わしてみな』
 そう唆されて、食後に出したのが失敗だった。
「なんだか、体がふわふわするのです~」
 アハハウフフと笑い続ける少女を前にして、どうしたもんかと溜息をつく。
「ブランデーケーキ一切れでこれだと、本物のお酒を飲んだらどうなるんだろうね、彼女」
「飲ませたら危ないな。ってか、おっさんは平気なのかよ」
「え、何が?」
 本来の標的はと言えば、顔色も変化なし、言動もいつも通り――。
「ところで、これはパン屋の髭親父の差し金だと思うけど、そうやってほいほい人の言葉に乗せられるの、君の悪い癖だよね」
 ぎょっとして店主の顔を窺えば、ああ――目が据わっている。
(こういうことか……)
「聞いてる? オルト君!」




 『垂れ耳エルフと世界樹の街』より、いつもの三人にご登場願いました。
 ユージーンは下戸の甘党だろうな、魔導人形の彼女も弱そうだな、とか思ったらこんな感じに。
 このあとひたすら、やたら饒舌に日頃思ってることをぶちまけられた挙句、翌朝になって「僕、何か言った?」とか言われそう。
 しかもぐちぐち言われた内容のほとんどが「君がいい人すぎて心配」だったりして。

seeds
Posted byseeds

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